引きずることで現れる色 ―― カラーモルタルの運動痕



内村工業が手掛けるカラーモルタル引きずり仕上げは、色を均一に塗り広げる左官とは異なります。コテや道具を引きずる動作によって、材料の抵抗や粘性がそのまま表面に残り、壁面には方向性を持った痕跡が生まれます。色は塗るものではなく、動きの中で現れる要素として扱われます。特殊左官としての施工では、顔料の配合、水分量、引く速度や角度を微調整しながら、線の濃淡や重なりを制御します。デザイン左官の現場では、意匠を描き込むのではなく、空間のスケールや視線の流れに合わせて運動の方向性を定めます。大阪左官として培った感覚は、止め時や崩し方の判断として表れ、過剰な演出を避けながら壁に緊張感と奥行きを与えます。内村工業は、カラーモルタル引きずり仕上げを通して、左官を色彩表現ではなく、身体の運動が可視化される技術として空間に実装しています。


