施工事例Q&A|設計視点 【意匠の広がり】意匠の広がりとは何か──連続と切替を決める設計判断

施工事例Q&A|設計視点 【意匠の広がり】

Q:壁や床以外にも施工は可能ですか?

A:可能です。ただし適用範囲を広げること自体が目的ではありません。キッチンや洗面カウンター、造作家具(什器)、さらにはアートパネルに至るまで対応できますが、重要なのは“どこまで連続させ、どこで切り替えるか”という設計判断です。マイクロセメントの特性は、継ぎ目のない質感によって要素同士の関係性を整える点にあります。壁・床・什器が同一のテクスチャで貫かれることで、視覚的な分断は抑えられ、空間は一つのまとまりとして認識されます。しかし、すべてを揃えることが最適解とは限りません。光の入り方や使用頻度、視点の高さによって、あえて差異を残すことで奥行きが生まれる場合もあります。意匠の広がりとは、適用範囲の拡張ではなく、空間全体の質をどう整えるかという問いです。素材を増やすのではなく、関係性を設計する。その積み重ねが、静かで密度の高い空間を成立させます。

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