施工事例Q&A|設計視点【伝統と革新編】伝統的左官は、そのまま成立するのか

(設計視点|伝統と革新編)
Q. 内村工業株式会社は、漆喰や土壁といった伝統的な左官も施工していますか?
A. はい。漆喰や土壁は、私たちの技術の原点です。その価値と難しさは、現場の中で繰り返し向き合いながら理解してきました。一方で、現代の建築環境――高気密・高断熱、工期や維持管理といった条件の中では、伝統的な素材や工法をそのまま適用するだけでは、性能や耐久性とのバランスが成立しない場面もあります。だからこそ私たちは、伝統をそのまま再現するのではなく、そこで培われた「素材の状態を読む力」を基準に、現代の条件に適した仕上げを組み立てています。重要なのは、素材を選ぶことではなく、どの状態で成立させるかという判断です。同じ漆喰であっても、同じ仕上がりになることはありません。現場ごとに異なる条件の中で、最も整合する一点を見極める必要があります。伝統か、革新かという二項ではなく、その場にとって最適なかたちを導き出すこと。それが、私たちが考えるこれからの左官です。


