固定しない仕上げ|左官が決める“揺らぎ”の精度

第5章|変化をどこまで許容するか
仕上がりは、揃えることで完成するとは限らない。トップセメントマイクロフィノによるオパールテクスチャ仕上げは、光の角度や時間の経過によって表情が変化する。見る位置が変われば色が揺れ、同じ面であっても一定の状態には留まらない。均一を求めれば、変化は消える。変化を許せば、統一は崩れる。その間にある均衡点を見極めることが、左官の判断となる。鏝を当てる回数や強さではなく、今この面がどの状態にあるのかを読み取り、どこまで変化を残すかを決める。什器や壁面においても同様に、光源や視線の流れによって最適な表情は変わる。すべてを揃えるのではなく、空間の中で成立する揺らぎを残す。内村工業株式会社は、この“変わり続ける表情”を前提に仕上げを構築する。左官とは、固定する技術ではない。変化の中で成立させる技術である。


