講義の風景

滋賀県にて行われた講義「左官を学ぶ」。
登壇した内村順一は、左官を単なる仕上げ技術としてではなく、「時間を扱う仕事」として語った。土、石灰、骨材──素材が本来持つ性質を身体で理解し、手の感覚で応答すること。その積み重ねが、過去の建築を支え、今なお空間に息づいていることを、具体的な施工経験とともに紐解いていった。
滋賀県建築士会、滋賀県建築士事務所協会、長浜建築施工管理技士会の合同開催という場は、設計者・施工者・専門業者が立場を越えて向き合う、非常に密度の高い時間となった。効率や合理性が優先されがちな現代において、左官の身体知が持つ「調整力」や「余白を読む力」は、これからの建築にこそ必要とされる。
過去を懐かしむのではなく、過去から学び、起こりうる未来を考える。左官という技術を軸に、建築の次の可能性を共有できた、意義深い会であった。

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