なぜ仕上がりはズレるのか|左官の判断が狂う瞬間

【なぜ仕上がりはずれるのか|左官の判断が狂う瞬間】

左官の仕上がりは、技術の不足で崩れるわけではない。崩れるのは、判断がわずかにずれた瞬間である。均一に見える面の中にも、鏝の圧、角度、速度は常に変化している。本来であれば、その変化は連続し、自然なテクスチャとして成立する。しかし、下地のわずかな違い、水分の抜け方、気温や湿度の影響。それらを読み違えたとき、鏝の動きは“合っているのに、合っていない”状態に入る。その瞬間、仕上がりは静かにずれていく。押さえるべきか、逃がすべきか。止めるべきか、重ねるべきか。判断が0.1秒遅れるだけで、質感は別のものになる。壁・床・什器と連続する面において、このわずかな差は顕著に現れる。整っているようで整っていない違和感。それは施工の問題ではなく、判断の分岐点で起きている。内村工業株式会社は、大阪を拠点に特殊左官・デザイン左官を手がける中で、こうした“ずれ”と向き合い続けてきた。左官とは何か。それは、狂いかけた判断を修正し続ける仕事である。

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