【名工の鏝|やまさ地金 アリカベ 2寸・3寸・4寸】
左官の仕上がりは材料だけで決まるものではありません。どの鏝を選び、どの面で使い、どの寸法を手に取るのか。その選択が仕上げの表情を左右します。内村工業株式会社で長く使い続けているのが、やまさ地金のアリカベ鏝です。サイズは2寸・3寸・4寸。それぞれの寸法には役割があり、面の広さや仕上げの段階によって使い分けられます。アリカベ鏝は、壁面や細部の仕上げに適した鏝として知られ、テクスチャを整えながら面を静かにまとめていく場面で力を発揮します。2寸は細かな部分の調整に、3寸は壁面の表情を整える中間の仕上げに、4寸は広がりのある面を安定して整えるために使われます。鏝の寸法が変わるだけで、手の動きも、仕上げの質感も微妙に変化します。こうした道具は、長い年月をかけて鍛冶職人の手によってつくられてきました。鋼のしなり、刃の重さ、握ったときの感覚。その一つひとつに、道具を生み出してきた職人の技術が宿っています。しかし、こうした鏝をつくる鍛冶屋は年々少なくなり、今では簡単に手に入るものではなくなりました。左官の仕事は、道具とともに続いてきた仕事でもあります。やまさ地金のアリカベ鏝。それは仕上げを整えるための道具であり、左官の現場を長く支えてきた、静かな名工の一つです。






