やまさ別製兼俊(別製押さえ鏝)210mm(約7寸)195mm(約6.5寸)180mm(約6寸)





やまさ別製兼俊(別製押さえ鏝)は、土間や壁の最終局面で使われる、いわば「決断のための鏝」だ。表面を撫でるのではなく、材料を押さえ込み、内部まで締め上げる。その一押しで密度が変わり、硬さが変わり、光の返り方までもが変わる。焼き締めと呼ばれる工程は、力任せでは成立しない。材料の水分、下地の呼吸、気温と時間。そのすべてを感じ取ったうえで、鏝を入れる瞬間が決まる。この鏝の刃には、均一さでは測れない精度がある。わずかな反り、刃先の粘り、重心の取り方。その一つひとつが、鍛冶の手仕事の積み重ねであり、使い手の判断を裏切らない。だからこそ、強く押さえても面が荒れず、締めた後に静かな艶が立ち上がる。こうした鏝を打てる鍛冶屋は、年々減っている。技術だけでなく、素材を見極め、使われ方を想像できる人が少なくなったからだ。現場で何気なく使われる一本の裏側はは、失われつつある時間と知恵が詰まっている。無くしてから価値に気づく道具では遅い。空間の質を本気で考える人ほど、この鏝の意味を、仕上がった面そのもので理解するはずだ。
サイズ展開(㎜/寸)
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210mm(約7寸)
広い土間や壁面を一気に締め上げるサイズ。面全体の密度を均一に高めたい終盤工程で威力を発揮する。 -
195mm(約6.5寸)
最も汎用性が高く、壁・床ともに扱いやすい中間サイズ。材料の状態を読みながら、押さえの強弱を繊細にコントロールできる。 -
180mm(約6寸)
取り合いや際、細かな調整が求められる場面に最適。強く締めながらも、面を荒らさず仕上げたい箇所で真価を発揮する。


