建築の皮膚を定義する左官という技術



左官は単なる表面の仕上げではない。内村工業株式会社の施工事例に共通するのは、素材や条件を読み解き、空間の未来を見据えた「判断」である。壁や床、什器に応用される左官技術は、気候や構造、光や動線といった環境要素を読み取り、最適な解像度で表現することで空間価値を決定づける。これは単純な施工ではなく、設計図の意図を具現化し、現場の条件を言語化する行為である。例えば、RC造やS造の集合住宅、大型施設、住宅内装といった多様な現場では、素材の性質や躯体の挙動を踏まえた判断が求められる。単なる均一性を追い求めるのではなく、素材そのものの反応を見極め、空間の奥行きを整える。漆喰や珪藻土、トップセメント仕上げなど、各仕上げの特性を理解したうえで、最適な表情を導き出す判断が、施工の質を左右する。こうした判断は、一連の経験と観察を通して身体化されるものであり、内村工業が大切にする「左官の身体知」としてストーリーを刻む。単に塗るのではなく、素材・環境・用途を読み解き、空間そのものの質を創出する。それが内村工業の左官の判断であり、見る者に静かな説得力をもたらす理由でです。


