過不足なく補う、公共左官の仕事





貯水池断面修復工事における左官の仕事は、美しさをつくるためではなく、機能と安全を確実に回復させるための判断の連続です。長年水を受け続けてきたコンクリートは、表面だけでは状態を判断できません。湿り気の残り方、鏝を当てたときの返り、叩いた音の違い。そうした感覚を通して、内部の劣化や力のかかり方を身体で読み取っていきます。公共物件では、やり直しは許されません。だからこそ、過不足なく削り、過不足なく補う。その一手一手に、経験に裏打ちされた確かな判断が求められます。仕上がった断面は目立つものではありませんが、そこに無理がないことが、施設全体の信頼性を支えます。安心して任せられる左官とは、完成時の見え方ではなく、使われ続ける時間までを引き受けられる存在であるべきだと、私たちは考えています。


