既存を読む、屋上左官の判断







屋上改修工事における左官の仕事は、仕上げる前に「読む」ことから始まります。既存防水の状態、下地の動き、雨水の逃げ方、長年積み重なった癖。そのすべてを足裏と手で確かめ、触感として把握することが最初の工程です。図面や数値だけでは判断できない微細な違和感を見逃さず、活かすべき部分と手を入れるべき部分を静かに切り分けていく。その積み重ねが、屋上という過酷な環境でも仕上げを成立させます。必要以上に手を加えず、しかし曖昧なまま残さない。仕上がった表情の裏側には、見えない判断と経験があります。安心して任せられる左官とは、施工後の時間までを想像し、先回りして手を止められる存在だと考えています。


