土壁を支える、のり差し仕上げ







左官|土壁 のり差し仕上げ
土壁のり差し仕上げは、日本の左官に古くから受け継がれてきた、壁の端部や取り合いを美しく納めるための伝統的な技法です。
壁と壁、壁と柱、壁と建具。その境界に土を差し込み、仕上げ面を整えることで、構造と意匠の両立を図ります。
この仕上げでは、土の配合や練り具合、下地の状態を見極めながら、適切なタイミングで土を差していきます。のり差し部分は、わずかな厚みや角の立ち方で印象が大きく変わるため、コテの角度や圧、引きの速度が重要になります。仕上げを均一に見せながらも、素材の呼吸を妨げないように納めるには、経験に裏打ちされた判断が欠かせません。
内村工業では、土壁を単なる仕上げ材として扱うのではなく、調湿性や蓄熱性といった素材本来の性質を活かすことを重視しています。
のり差し仕上げにおいても、見た目の美しさだけでなく、壁全体の耐久性や経年変化を考慮しながら施工を行います。
土壁のり差し仕上げは、和室や町家、古民家再生はもちろん、現代建築においても空間を引き締める役割を果たします。左官とは、素材と向き合い、境界を丁寧に整える仕事です。この仕上げは、日本の左官技術が培ってきた繊細な感覚を、今に伝える技法のひとつと言えるでしょう。


