変化を許す金属

金属は、冷たい素材ではない。トップセメントのピュアメタルを用いたこのUKアートパネルは、金属が持つ硬質さよりも、時間と反応によって生まれる表情の揺らぎに焦点を当てている。規則的に並ぶモールディングの中に、あえて不均一な起伏と滲みを残すことで、工業素材に有機的な呼吸を与えている。
一枚一枚のパネルは同じ工程で仕上げられていない。押さえる圧、留める間、磨く順序。その微差が、酸化の進み方や光の返し方を変え、色味と質感に個性を生む。揃えすぎない判断は、視覚ではなく手応えによって導かれたものだ。左官アーティスト・内村順一は、金属を完成形に固定しない。むしろ、空間に置かれてから変化し続ける余地を残すことで、作品としての時間軸を成立させる。ピュアメタル特有の深みある輝きは、照明や距離によって静かに表情を変え、壁面に奥行きをもたらす。
UKアートパネルは、素材の強さを誇示するものではない。金属と身体、秩序と揺らぎが交差する地点を、空間に定着させた構造体である。


