夜を裂く粒子、固定された祝祭


夜空に咲いては消える花火。その刹那の美しさを、壁面に留めるために選んだのが、トップセメントのエリートグレーズだ。深い漆黒をベースに、金、青、赤が弾けるように広がり、面の中で放射と収束を繰り返す。これは描いた花火ではない。コテの動きと素材の反応が生んだ、物質としての花火だ。
押すのか、引くのか。ここで止めるのか、もう一度重ねるのか。その一瞬の判断が、粒子の散り方、光の残り方を決定づける。エリートグレーズ特有の艶と粒立ちは、均一を拒み、手の迷いさえも表情として残す。その結果、中心から外へと広がる力強さと、消え際の静けさが同時に立ち上がる。
完成したUKアートパネルは、祝祭的でありながら騒がしくない。光を受ければ金が浮かび、距離を取れば闇が支配する。見る角度と時間によって印象が変わるその姿は、まさに花火と同じだ。これは装飾ではなく、左官という行為で一瞬を封じ込めた記録。空間に、静かな高揚感をもたらす一枚である。


