デザイン左官によるサニタリー洗面台|パール仕上げ①










洗面という行為は、空間の中でもっとも身体に近い時間を持つ。
内村工業株式会社が手がけた第一のサニタリーでは、トップセメント「エリートグレーズ」を用い、洗面台そのものを“触れるデザイン左官”として成立させた。選択したのは、光を拒まず、主張しすぎないパールデザイン仕上げ。表面に強い輝きを与えるのではなく、照明や自然光を受け止め、その都度、静かに表情を変える質感を目指している。施工において重視したのは、平滑さの中に残るわずかな揺らぎだ。完全な均一ではなく、手仕事だからこそ生まれる奥行きが、洗面という日常の所作に心地よい緊張感を与える。コテの動き、材料の反応、硬化の速度。その一つひとつを身体で読み取りながら、最終的な質感を決めていく工程は、意匠であると同時に設計行為でもある。水に触れ、顔を映し、手を拭く。その繰り返しの中で、この洗面台は装置としてではなく、空間の一部として静かに存在する。デザイン左官とは、形を作ることではなく、空間の振る舞いを整える仕事だという考えを、このサニタリーは端的に示している


