トップセメント壁仕上げ|エボリューション マイクロデッキM №29アリーナ










古民家リノベーションにおいて、トップセメント「エボリューション マイクロデッキM」№29アリーナを用いた壁仕上げ事例。
アリーナは、砂や石灰を思わせる中間色でありながら、光を受けた瞬間にわずかな陰影を生む色調を持つ。古民家が内包してきた時間の層と拮抗せず、壁そのものが空間の一部として自然に溶け込んでいく。施工では、既存壁の歪みや下地の密度を手で確かめながら、塗り重ねの厚みとコテ圧を細かく調整した。均質な面に整えるのではなく、微細な揺らぎを残すことで、光が壁面を滑るように移ろう。マイクロデッキM特有の緻密な粒子が、その揺らぎを静かな質感として定着させる。
トップセメントは、古民家を「現代化」するための素材ではない。積み重ねられてきた時間を一度受け止め、今の暮らしに適した輪郭へと更新するための左官表現である。過去と現在の境界を曖昧にし、空間に余白を残す。その役割を、この壁は静かに担っている。


