古民家リノベーション|トップセメント 特注色ミントブルー壁仕上げ

古民家リノベーションにおいて、特注色ミントブルーのトップセメントを壁仕上げに採用した事例。
この色は鮮やかさを前面に出すためのものではない。光を受ける角度や時間帯によって、わずかに表情を変え、空間に静かな呼吸をもたらすための色だ。長年積み重ねられてきた木材の色味や、古民家特有の陰影と拮抗せず、あくまで背景として佇む。施工では、既存壁の状態や湿度、下地の癖を見極めながら、塗りの圧とスピードを微調整した。均質に仕上げるのではなく、あえて微細なムラを残すことで、色に奥行きが生まれる。ミントブルーは軽やかな印象を持ちながら、塗り重ねの厚みが加わることで、安定感のある壁へと変わっていく。トップセメントは、空間を「変える」ための素材ではない。すでにそこにある時間や記憶を受け止め、今の暮らしに適した形へと静かに更新するための左官材だ。古民家の空気を壊さず、新しい日常を迎え入れる。その境界をつくるのが、この壁の役割である。

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