背景として機能する壁 マイクロデッキMが導く左官の判断












店舗という場に求められるのは、視線を惹きつける強さと、長く居ても疲れない静けさの両立です。本事例では、スペイン製マイクロセメント「エボリューション マイクロデッキM」を用い、壁面に左官仕上げを施しました。素材が持つ高い密度と均質性を土台にしながら、塗り重ねのリズムやコテ圧の微差によって、無機質になりすぎない表情を引き出しています。左官とは、仕上げ材を塗る行為ではなく、空間の“温度”を調整する仕事だと私たちは考えます。光の当たり方、距離による見え方、時間帯ごとの陰影。そのすべてを身体感覚で読み取り、壁面として最適な落ち着きを探っていく。マイクロデッキMは、その判断に正確に応えてくれる素材です。
主張しすぎず、しかし確かな存在感を残す壁面。店舗空間の背景として機能しながら、空間全体の質を静かに底上げする左官のあり方を、この壁に込めています。


