温度をつくる壁 ―― アルコセム№18 デザートタン仕上げ










店舗空間における壁や柱は、視線を受け止めると同時に、空間全体の温度を決定づける要素となる。トップセメント・アルコセム ベーシックカラー№18「デザートタン」は、その役割を過不足なく果たす色調だ。乾いた大地を思わせる柔らかなトーンは、照明の色温度や時間帯によって表情を変え、空間に奥行きを与える。主張しすぎず、しかし確かな存在感を残す。そのバランスは、店舗という人の動きが交差する場所において重要な条件となる。施工では、壁面と柱それぞれの形状を読み取りながら、コテの運びと塗り重ねを調整する。アルコセムは塗り手の判断に素直に応える素材であり、乾きの速度や層の厚みを身体で掴むことが、均質でありながら単調でない表情を生む。デザインとしての派手さよりも、長く使われる空間としての安定感。内村工業がこの仕上げで重視したのは、店舗の活動を静かに支える背景としての左官だ。素材の性能と左官の技術が交わることで、壁と柱は空間の一部として自然に機能し続ける。


