歩かれることで完成する面|プラタが支える店舗の土間














店舗空間において、土間は背景ではない。人の重さ、歩幅、立ち止まる位置。そのすべてを受け止める「基準面」として、空間の印象を静かに決定づける。本件では、エボリューションマイクロベースXXLに、アルコセムベーシックカラー№4プラタを用い、余白のある明度と踏み心地の安定感を両立させた土間仕上げを構築している。
マイクロベースXXLは、粒子が大きく、面を一気に整えられる反面、表情の制御が難しい素材だ。均し過ぎれば平板になり、残し過ぎれば雑味が出る。施工では、鏝を止める位置と歩留まりを細かく調整し、光を反射させるのではなく、床面に沈ませるように仕上げている。踏み込んだときに感じるわずかな抵抗感は、研ぎの深さと含浸のタイミングによって生まれたものだ。プラタの色味は、主張しない。しかし照明や時間帯の変化に応じて、空間全体の輪郭を穏やかに整える。什器や壁を引き立てながら、店舗の動線を自然に導く役割を果たす。視線を集める床ではなく、行為を支える床。その判断が、土間仕上げの完成度を左右する。
歩かれ、使われ、時間を重ねていくことで、この土間は完成に近づく。エボリューションマイクロベースXXLは、空間を飾るためではなく、使われる前提で仕立てる左官仕上げ。その思想が、この床面には確かに宿っている。


