触れた瞬間にわかる密度|プラタで仕立てたテーブル什器












視線よりも先に、手が触れる。このテーブル什器に求められたのは、強い主張ではなく、使うほどに信頼が増す質感だった。エボリューションマイクロデッキMに、アルコセムベーシックカラー№4プラタを重ねることで、金属的な表情を持ちながらも、空間に過剰な緊張を与えないバランスを探っている。什器仕上げは、壁や床以上に誤魔化しが効かない。角の処理、天板のエッジ、光の回り込み方。コテを運ぶ速度や圧を少し誤るだけで、表情は途端に粗くなる。ここでは、研ぎを深追いせず、あえて素材の粒子感を残す判断を重ねた。触れた指先に、冷たさだけでなく、微かな抵抗が伝わるように。プラタ特有の淡いメタリックトーンは、照明や時間帯によって静かに変化する。昼は端正に、夜は落ち着いた艶を帯びる。その変化を計算ではなく、現場での反復と感覚で掴んでいく工程こそが、この仕上げの核だ。完成したテーブルは、主役にはならない。だが、空間の質を底上げする役割を確実に果たす。エボリューションマイクロデッキMは、素材ではなく、使い手の所作まで設計できる左官仕上げ。その静かな説得力が、この什器には込められている。


