洗い出しとタイルがつくる、ひとつの面

この仕上げは、洗い出しとタイルという異なる性質の素材を、一つの面として成立させる試みです。骨材の粒径、露出の深さ、水を当てるタイミング。洗い出しは工程のわずかな判断差が、そのまま表情として残ります。均一さを狙うのではなく、あらかじめ生まれる揺らぎを受け入れ、全体の密度として整えていきました。
タイル部分では、形を強調するために線で囲うことはせず、洗い出しとの境界が自然に溶け合う位置を探ります。押さえすぎず、浮かせすぎず。手に伝わる抵抗や沈み込みを確かめながら、素材同士がぶつからない距離感を保ちました。近づけば粒と欠片の集積として見え、少し距離を取ると一つの図として立ち上がる。その変化も含めて、この壁面は完成します。洗い出しとタイル、それぞれの素材を支配するのではなく、現場での判断を重ねながら共存させる。その静かな積み重ねが、この仕上げの奥行きとなっています。
制作:内村貴子


