壁と什器をつなぐ仕上げ|珪藻土施工

壁面と什器が連続するこの空間では、仕上げを「見せる」よりも、空気を整えることを優先しました。珪藻土は調湿性や柔らかな質感が注目されがちですが、実際の施工では、素材が最も安定する厚みや、乾きの速度を身体で判断することが仕上がりを左右します。下地の吸い込み具合、室内の湿度、光の入り方。その日の条件を読み取りながら、コテの角度や返しを細かく変え、壁面から什器へと自然につながる表情をつくりました。均一に塗るのではなく、あえて残したわずかな揺らぎが、空間に静かな奥行きを与えます。時間帯によって変わる陰影や、使われることで馴染んでいく質感も、この仕上げの一部です。珪藻土という素材と向き合いながら、その場に最もふさわしい状態を探る。その積み重ねが、壁面什器としての落ち着きを形づくっています。

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