思考の場に、静かな質感を。

不動産会社の会議室という、判断と対話が日常的に交差する空間において、内村工業株式会社はデザイン施工を担当しました。設計は、株式会社ALUS 水本さおり氏。求められたのは、過度な主張ではなく、空間の空気を静かに整える質感でした。壁面に施した仕上げは、色の揺らぎや層の重なりをあえて均質に整えすぎず、光や視線の動きによって表情が変わる構成としています。会議室という機能的な場でありながら、思考が滞らず、言葉が自然に流れる。そんな状態を支えるための、控えめで確かな存在感を意識しました。素材の選定から施工の判断に至るまで、図面だけでは完結しない微調整を重ね、その場に最もふさわしいバランスを探っていく。内村工業が大切にしているのは、完成形を押しつけることではなく、設計者の意図と空間の性格を丁寧に読み取り、現場で最適解へと導くプロセスです。

語りすぎず、誤魔化さない。派手に魅せず、深く届く。会議の時間を静かに支えるこの空間には、そうした姿勢がそのまま映し出されています。

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