想いを貼る、という行為。―― モザイクアートタイル

タイルモザイク展「能登半島地震災害お見舞い」作品募金販売 ※朝日新聞厚生文化事業団を通じて全額寄付

大阪府立江之子島文化創造センターで開催された本展は、装飾や技巧を競う場ではなく、「手を動かすこと」そのものが祈りとなる時間だった。高槻のぶ子先生の呼びかけのもと、高槻のぶ子、内村順一、内村貴子、大島佳子、酒井ちず子、櫻井恵子、富山操、中井佳代子、野入しをり、東出久美、山田雅俊といった作家が集い、それぞれの距離感で能登半島地震への想いをタイルに託した。

モザイクは、ひとつでは意味を持たない小片の集合体である。欠けた形、揃わない色、わずかな隙間。その一つひとつを選び、置き、確かめる行為の積み重ねが、静かな強度を持つ面をつくり出す。本展に並んだ作品群からは、過剰なメッセージではなく、黙って手を動かし続けた時間の密度が立ち上がっていた。

会場に漂うのは、悲しみを煽る空気ではない。遠く離れた場所を想いながらも、いま自分が立つ床にしっかりと体重を預け、目の前の一枚に集中する。その姿勢が、空間全体を静かに支えていた。タイルは冷たい素材だが、貼られた面からは確かな温度が感じられる。

誰かのために手を動かすこと。沈黙のまま想いを並べること。その行為自体が、確かにここに存在していた。モザイクアートは、言葉よりも静かに、しかし深く、心の位置を示す。本展は、その事実を確かに刻む時間であった。

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