触れることで完成する造形

デザイン左官|造形手すり仕上げ

内村工業株式会社が手がけるデザイン左官は、意匠性だけでなく、人の動きや触れ方までを含めて空間を捉えることを大切にしています。

造形手すり仕上げは、手で触れることを前提に形づくられる左官仕上げであり、機能と質感を同時に成立させる技法です。

手すりは、身体を支えるための装置であると同時に、もっとも直接的に触覚が関与する建築要素です。造形手すり仕上げでは、左官材を用いて曲面や厚みを持たせながら、人の手の動きに自然に沿う形状をつくり出します。握ったときの感触、手のひらに伝わる温度、角の丸みや面の連なりは、コテの圧や速度によって微妙に調整されます。

内村工業では、設計寸法だけに頼るのではなく、職人自身が触れ、確かめながら造形を進めます。乾き具合や素材の抵抗を身体で感じ取り、その場で形を修正していく工程には、数値化できない暗黙知が生かされています。こうして生まれる手すりは、均一な製品にはない、人に馴染む感覚を備えています。

造形手すり仕上げは、階段やスロープ、壁際の支持部などに用いることで、空間全体の連続性を高めます。視覚的に主張しすぎることなく、使う人の動作を静かに支える存在です。デザイン左官とは、形を誇示することではなく、人と空間の関係を丁寧に整えること。その考え方を、造形手すり仕上げは端的に表しています。

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