一般左官

左官とは

左官とは建築物の壁塗りを指します。砂壁や漆喰仕上げなどの最終的な表面仕上げとして重要な役割を果たしています。まず、その建物の耐久性や居住快適性を高める役割です。次に壁を美しく仕上げるという装飾的な役割です。伝統的な日本の建築物において快適な居住空間なためにも左官は欠くことのできない仕事です。

左官とは

健康と左官の関係

健康と左官の関係

シックハウスと左官との関係

近年特に増えてきた症状で建材や内装材、家具類や家庭用品などに含まれる揮発性の高い化学物質が室内に徐々に放散することに起因する健康影響で「シックハウス症候群」と呼ばれています。シックハウス対策の壁材としては珪藻土などの自然素材が有効です。植物性プランクトンが堆積して出来たもので、珪藻の粒子には1ミクロンにも満たない小さな孔が無数にあります。孔が調湿性・消臭性などに役立ちます。左官の技術は昔ながらの知恵が盛り込まれた、人にやさしいものなのです。

左官のメリットは豊富にあります
左官のメリットは豊富にあります。素材によって表情が全く変わるため、デザインの自由性が高いのが特徴です。味のある雰囲気を好まれる場合にはぴったりです。また、自然素材を用いて仕上げを行うため、シックハウス症候群にも有効ですし、調湿機能が高いため、快適な空間をもたらします。左官は昔ながらの技術ですが、そのメリットの多さに改めて注目されています。
乾燥収縮によるヘアクラックが発生する場合があります
乾燥収縮によるヘアクラックが発生する場合があります。また、仕上げ面が削れ、粉じんになる事があります。自然素材は本来こうした性質を持っているため、むしろ自然素材ならではの“味”ととらえるべきかもしれません。しかし、内村工業ではクラックを防止するモルタルなど、高い技術を活かした、特殊な塗りをお届けしております。

左官の豆知識

塗り壁の種類

左官の魅力

左官の魅力はなんといっても自然素材を使用していること、またその仕上がり一つ一つに味がでることです。左官工事の材料となる「土」は、産地や目的によってその性質や色など、様々です。そこで、土の特徴を十分に生かして適材適所に使い分けるのが、左官職人の腕によります。土は自然素材のため、呼吸をしているので調湿、調温に優れ、常に快適な空間を保つことが可能です。

材料

セメント

◎セメントとは

水で練ったときに硬化する無機質粉末の総称をいい、普通”セメント”と言うと”ポルトランドセメント”を指していることが多いが、石膏も石灰もドロマイトプラスターも天然のセメントを含んでいます。その意味では左官材料というのは全て”セメント”と言うことも出来ます。

◎セメントの固まり方

セメントは水を加えると水和反応を起こして硬化をはじめます。この固まり方を水硬性といいます。ポルトランドセメントは水と化合してまず凝結し、しだいに硬化していきます。セメントに水を加えて練り混ぜるとセメントの粒子はすぐに水和反応を起こし、セメント粒子の回りに水和物の結晶ができはじめ、しだいにこれがセメント粒子の間につまってきて、セメント粒子どうしをくっつけあうようになります。さらに時間が経ちますと、セメント粒子の間がびっしりと埋められて緻密な網状構造になり硬さを増してきます。

◎セメントの種類

*主な単味セメント(混合材を混合しないセメント)

  • ポルトランドセメント
  • アルミナセメント

*主な混合セメント

  • 高炉セメント
  • シリカセメント
  • フライアッシュセメント

石膏

◎石膏とは

  • 硫酸カルシウムの鉱物名
  • 天然には岩石中に属するものと人工的に化学工業の副産物として出たものと合成して製造したものとがあります。

◎石膏の固まり方

水をまぜることにより水和反応が起こり、針状結晶が互いにからみあって、結晶が成長して緻密に交りあって強度が出る。又、硬化体を水で濡らすと強度が半分に落ちてしまいます。したがって一般的には気硬性とも考えられますので、水硬性と気硬性の混合形と言われています。

◎特徴

    • 焼成の方法、湿度により性能(強度、耐水性等)が向上されます。
    • 耐熱、耐火性、無収縮性(若干の膨張)、着色他

    ◎用途

    石膏の中に焼成ひる石、焼成パーライトを混合した軽量石膏プラスターは軽量塗材及吸音用、断熱用に利用されます。


    石灰

    ◎石灰とは

    石灰の原料となっている石灰石は主成分が炭酸カルシウムです。 石灰石を加熱すると分解反応を起こして「生石灰」ができます。 生石灰に水を加えると発熱して水和し「消石灰」ができます。これを「消化」と呼びます。

    ◎石灰の固まり方

    消石灰は空気中で乾燥し固まります。それも炭酸ガスを含む空気中で乾燥すると同時に消石灰が炭酸化して炭酸カルシウムになってより強い強度を発揮します。 ゆえに消石灰は水の中では硬化しません。水と混ぜ合わせた消石灰を空気が動かない場所に置いた場合と空気が撹拌されて、よく動く場所に置いた場合と強度を比較してみますと空気がよく動く場所に置いたものの方が強度が2倍~4倍も強くでました。これは絶えず新しい空気中の炭酸ガスが消石灰の表面に触れて炭酸化反応がよく進むからです。

    ◎特徴

    消石灰の製造方法により左官用としての重要な性能は

    • 可塑性:コテ塗りの際の作業性
    • 安定性:均一に消化していないと施工後に膨張を起こし壁面を破壊して大問題になります。
    • 保水性:下地の吸水に対する抵抗能力
    • パテ容積:同じ重さの石灰で作るパテ容積
    • 白さ:白さの度合い及均一性
    • 再炭酸化:消石灰は施工後空気中の炭酸ガスを吸収するこの性質が強いほど良い壁ができる。

    ◎用途

    • 消石灰にスサ、のり、砂などを混ぜて水で練ったものが「漆喰」と呼ばれ和風建築や土蔵造りに使用されます。
    • セメントの原料

    漆喰

    ◎漆喰(しっくい)とは

    伝統的な建物、たとえば神社、仏閣、伝統的な民家、土蔵などの白く塗られた壁、あの白く塗られた壁が漆喰塗りです。消石灰にスサ、のり、砂などを混ぜて作ります。

    ◎特徴及び用途

    防火性能、湿気呼吸性が優れており神社、仏閣、土蔵をはじめその性能から一般住宅に使用されています。又、硬化が遅いので彫塑材としても用いられています。


    土壁とは

    ◎土壁とは

    わが国在来の工法で、材料のほとんどは天然産の土でその地域で入手しやすいものを使用します。荒壁(下塗り)の土は粘性のある粘土混ざりの土砂で15mmのフルイを通過する程度のものです。又、古い土壁を取壊して得られる土(古土)を用いることもでき、数ある左官材料の中で唯一再生できるのは土壁だけです。練り混ぜは水と切断した藁(ワラ)を加え、よく練り混ぜることが必要です。

    藁(ワラ)の混入は
    1. 塗り材料がパサパサするのを防ぐ。
    2. 塗り付けの際、コテの伸びを容易にする。
    3. 保水性を向上させる。
    4. 乾燥にともなって生じる亀裂(収縮クラック)を防止又は分散させる。

    以上の目的で用いられています。
    中塗土は荒壁土と同質で10mmのフルイを通過する程度の土に水と中塗藁を適量加え練り混ぜます。

    ◎特徴

    土壁は高温多湿の日本の気候に適合しており防火性、保温性、防音性、調湿性及び素材そのものの呼吸性などさまざまな優れた性能を併せもっています。又、無公害で自然の素材であり近年シックハウス症候群の問題から土壁の機能性が再評価されています。

    ◎用途

    ものを収納、保管する建物。
    米蔵、醸造蔵、酒蔵等。
    住宅。


    モルタル

    ◎樹脂モルタルとは

    一般的にはセメントと合成樹脂を混ぜ合わせた材料です。合成樹脂の種類は主にアクリル系、酢酸ビニル系、ゴムラテックス系でこれが最も多く用いられています。

    ◎特徴

    セメントの欠点と合成樹脂の欠点は相方混ぜ合わせることによって改良(性能アップ)された材料です。セメント及び合成樹脂単体の性能に比べて下記の性能が改良されます。

    • 曲げ強度のアップ
    • 防水性、防湿性の向上
    • 変形特性の改良(ゴムに近い性質に改良)
    • 乾燥収縮の低減
    • 接着力のアップ
    • 耐摩耗性、耐衝性の向上
    • 耐薬品性の向上
    • 耐凍結融解性の向上
    • 耐候性の向上
    • 中性化防止
    • 硬化速度の調整

    ◎用途

    舗装材、防水材、接着材、耐薬品性保護材、鉄筋の防錆材、コーキング。目地材、吹付材。


    珪藻土

    ◎珪藻土とは

    藻類の死骸が海底や湖底に長年にわたって堆積してできた粘土状の泥土でその表面には無数の微細な孔(0.1~0.2ミクロン)が円形や針状に規則正しく並んでいます。この微細で超多孔質な構造のため表面積が大きく優れた呼吸性と吸着性を発揮します。

    特徴

    保温、断熱、防露、調湿、遮音、脱臭の機能を持つ。又、近代建築の気密性と断熱性の弊害である、カビ、ダニの発生、アトピー性皮膚炎などの健康障害、結露、換気不足による室内汚染などのさまざまな問題の解決を図ることができる材料です。

    ◎用途

    建物(住宅)の内壁、外壁、土間の仕上げ材。(すでに過去のものとなってしまった土壁、土間を復活させるより自然の土の落ちついた仕上の提供)七輪、コンロ、耐レンガの原料、酒、ビール製造の濾過材、吸着、脱臭材。

    工法

    材料

    ◎鏝押さえ(こておさえ)

    モルタルやコンクリートの表面を金鏝(かなごて)及び木鏝(きごて)で仕上げることで、金鏝3回押さえといえばモルタルの硬化進行に合わせて仕上げを金鏝で3回行う。回数が多いほどモルタルの表面が平滑でよりよい仕上げになります。

    ◎はけ引き

    モルタル仕上げの表面がまだ硬化しない間にはけで粗面にする。はけ目はそのままでよく、吹付仕上げの下地にもなります。

    ◎掻き落とし(かきおとし)

    モルタルなどの表面を硬化直前にワイヤーブラシで削り落として粗面にする仕上げです。

    ◎リシン仕上げ

    色モルタルに大理石の細砕石を混入したモルタルを塗り、表面が未硬化のうちワイヤーブラシで削り落として粗面に仕上げたものです。

    ◎スタッコ仕上げ

    セメントモルタルを5~10mm程度塗り付けし鏝やローラーで表面に凸凹模様をつけた仕上げです。

    ◎人造研ぎ出し(じんぞうときだし)・テラゾー

    顔料、白色セメントに大理石などの砕石粒を練り合わせて塗って硬化ののち、研磨つやだししたもの。
    大理石の代用品。

    ◎人造洗い出し(じんぞうあらいだし)

    モルタルの砂に大理石などの色彩のきれいな砕石を混ぜて硬化前に表面のセメントを水に流して骨材を露出(ろしゅつ)させたものです。

    ◎叩き、三和土(たたき)

    土、にがり、消石灰を混ぜ合わせて小槌(こづち)でたたいて仕上げた土間。コンクリートの土間をコンクリートたたきといいます。

    裏ポイント

    裏ポイント

    ◎セメントの欠点(短所)

      • ドライアウトしやすい
      • 白華(エフロレッセンス)がでる
      • 初期接着性が悪い
      • ひび割れしやすい
      • 作業性が悪い
      • 曲げ強さが小さい
      • 靭性、弾性、フレキシビリティーがない(粘り強さがない)
      • 吸水が大きい
      • 耐候性に問題あり(中性化、風化性)
      • 耐薬品性に乏しい(耐酸性に弱い)
      • 濃色の着色ができない

      上記の1~10の欠点を合成樹脂を混合すること(樹脂モルタル)によって改良、改善できる。

      ◎樹脂モルタルの欠点(短所)

      1. 空気連行性(主に撹拌の際)
        ・強度低下(圧縮強度、摩耗強度、衝撃強度)
        ・防火性の低下
        対策:消泡剤の添加
      2. 保水性
        ・水中養生には適さない
      3. 作業性
        ・合成樹脂の量を増やすと粘りが強くなり、作業性がかえって悪くなる。
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